鋸山でプチ登山気分のハイキング

元旦 早朝特別運転するロープウェイで初日の出も

 安房郡鋸南町と富津市の境に位置する鋸山。標高は329メートルで、山の西側半分は南房総国定公園に指定されている。正式名称は乾坤山だが、垂直に切り立った岩肌が露出し、ギザギザの山稜がノコギリの歯のように見えることから鋸山と呼ばれている。
 千葉県で唯一のロープウェイと日本寺大仏、地獄のぞきなどで有名な観光スポットだが、山の麓から頂上までの登山ルートも3コースある。そこで今回は「登山気分を味わいたい」というウオーカーやハイカーの皆さんに人気のワイルドなコースをご紹介。是非、空気の澄み渡ったこの時期、体力づくりも兼ねて歩いてみては。(内田)
 ということで、前回に引き続き『大網白里ウオーキング会』の皆さん28名と、11月中旬、鋸山へ。当日は雨のため、合羽を着てJR内房線浜金谷駅からスタート。関東ふれあいの道の標識に従って進み、薬局とミートショップの間の道を通り、更に歩きJRのガードをくぐる。間もなく登山道入口。右へ行くと、『関東ふれあいの道コース・車力道コース』へ。今回は『安兵衛井戸と沢コース』なので直進する。
 歩き始めて最初のうちは、右手に田んぼを見ながら金谷川沿いの平坦な道だったが、次第にアップダウンの道が続き、素掘りのトンネルを通り抜けると、コース名にもある『安兵衛井戸』へ。ここに着く途中にも何カ所か道をふさぐようにあった倒木が、井戸といわれる水源にも覆い被さっており、残念ながら水が湧いている様子は見つからなかった。ちなみに、『安兵衛井戸』の由来は、金谷の安兵衛という人が病気の母親のために、家の井戸は海沿いにあり塩っけがあるので、毎日、町から沢に通い、母に水を飲ませてあげたという親孝行息子の伝説から。
 これより先は、いよいよ山道へ。きつい勾配の上り下りを繰り返し尾根に。出発して1時間半ほどで岩場が出現。ロープをつたって岩登り。滑りやすい丸太を渡した道などもあり、ようやく『東の肩』に着く。ここは、富津・鋸南の市町境で郡界尾根でもあるという。ベンチがあり何度目かの休憩を。再び、ロープとロープなしの急勾配の崖登りを経て、約20分で山頂に到着。たくさんの倒木をまたいだり、くぐったり、イノシシの蹄跡が残る半分ほど崩れ落ち、ぬかるんだ道や石がゴロゴロしている道を歩き続けたりして、普段使わない筋肉を使い、サビついた身体の一部に活を入れられたようだった。
 同会の代表、上田弘子さんが「晴れ女」なため、歩き始めてしばらくすると雨はやんだものの、山頂からの眺めは、もやっていてイマイチ。でも、弁当を広げ食べているうちに少しずつ晴れ間が広がり、下山する頃には青空となり、関東ふれあいの道を通り林道口に至る道までは、眼下に広がる山並みの幻想的な美しさと、間近に見える鋸山の険しい稜線に、皆さんは感激の声をあげていた。
 下山途中にも自然観察を目的とする低山ウオーキングの会らしく、草花を見つけては上田さんに名前を聞く人、写真を撮る人が。午後2時、帰途につく。約4時間30分の行程で歩数計は1万6千歩強。
 今回のコースについては、「他のコースより距離が長い上、岩を登る場所もあるベテラン向け」、「鋸山では難易度が高めの悪路」という人もいるが、「観光地化していないから山そのものが楽しめる」という人もいる。いずれにせよ、低山歩きに慣れている人ならば、ちょっと危険かなと思われる所は慎重にいけばベテランでなくても大丈夫ではないかと思えた。但し、ロープを使ったり岩登りの際には軍手があった方がいいし、滑りやすい足場の悪い箇所もあるので、しっかりとしたウオーキングシューズを履くこと。トンネルは短いが暗いし足下も良くないので懐中電灯はあった方がいい。また、あちこちに標識があるので見落とさないように注意。
 鋸山は初日の出スポットとしても人気が高い。元旦は初日の出の時刻に合わせ、ロープウェイは早朝特別運転を実施(5時30分~)する。

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