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当事者の力を信じる
- 2015/3/6
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千葉県山武健康福祉センター(山武保健所)と山武郡市精神障害者家族会『のぞみ会』と共催で『心の健康に関わる研修会』が同センターにて開かれた。2月18日、聴講者52人を前に『親あるうちに自立生活を支える地域つくりを―ここまでできる当事者の力』と題した講演をしたのは流山市にある医療法人『宙麦(そらむぎ)会』のひだクリニック副院長木村尚美さんと、精神障がいという困難を乗り越えた先輩ピアサポーター2人。
木村さんらが所属する医療法人は入院や薬に頼る治療ではなく、心の病にかかった当事者の主体性を尊重し、外来治療、訪問看護、デイケア、仲間の力で地域での生活を営めるよう支えてきた。一人ひとり違う当事者の回復には、自分で病気や薬について知り、自己対処法を身に付けることが大切。さらに心理教育、社会生活技能訓練、同じ体験をした仲間のサポートで少しずつ自信がつき、当たり前の暮らしが取り戻せる。「親などの支援や薬は多すぎてはならない。魚を食べたいときに魚をもらうのは簡単。でも、魚の釣り方や調理法を教えてもらえれば自立できる」とのこと。
続いて、20代のピアサポーター2人が自分の障がいを明かし、医療法人の事業所で働き、仲間を支えるまでに成長したことを話した。「障がいがあっても旅行やスポーツを楽しみ、結婚や子どもを持つことも夢じゃない」と明るい。
『のぞみ会』会長の一ノ宮さんは「希望の持てる話だった。当事者も家族も大変だが、一緒に学んでいきたい」と感想を述べた。同会は月1回定例会と年数回研修会を開いている。
問合せ 沼袋さん
TEL 0475・88・3167