【茂原市】たくさんの日本語を楽しく身につけて

 毎週水曜日と土曜日に茂原市の東部台文化会館で開催されている『日本語教室』。主催の茂原IVCは茂原市国際交流協会団体会員で、15名ほどの支援者が外国人学習者を支えている。「進学を主な目的に、文法や文型などを中心として学習する学校型日本語教育とは違い、私達が行っているのは地域型日本語教育です。同じ地域住民として生活していくために必要な、日本語を身につける勉強ですね。日本語能力がゼロの学習者を対象とした入門会話学習も、基本的にすべて日本語で行います」と話すのは、スタッフの大野光夫さん。学校の授業のように先生1人が生徒全体に向けて話すのではなく、同教室では1対1の会話式学習法で行っている。一度担当した学習者を継続して担当するため、会話のレベルや個人の性格をよく把握できるだけでなく、次第に生活における悩みまで相談してくれるようになることも。


 平成3年7月の発足当初より支援者として活動している女性は、「以前は中国出身の方も参加されていましたが、今はフィリピンの方が多いですね。結婚をされて日本のご家族がよく話しかけられているだろう女性は、来日1年未満でもハイスピードで上達されています」と話す。現在、茂原市内の外国人登録者数は約1200人。結婚や勉学、就労と来日の理由は様々だろうが、共通しているのは日本語で生活する必要があるということ。また、「年に1回、学習者が講師となって母国の料理教室も開催します。去年はマレーシア料理でした。日本語習得はもちろん目標のひとつですが、教室のモットーは『学習者・支援者共に楽しく』なんです」と大野さん。


 教室は、日本語の学習の場だけでなく、国籍や年齢の違う人と交流し理解し合う場所。そして友達が作れたり、日常生活と離れて同国人に会い安心したりできる場所なのだ。タンザニアから来日した女性はまだ日本語が話せないものの、「日本の食べ物は美味しく、住みやすい。友達に着物を見せてもらった時は、特徴的な文化に触れられて本当に嬉しかったです。少しずつ慣れていきたい」と話す。日本在住20年を超えるフィリピン人の女性2人は、「子どもがお腹にいる時に初めて来たのが懐かしいです。強制することなく、自分たちのペースで学ばせてくれたので、負担になることなく会話から日本語を身に付けられました」と話した。


 支援者は原則月4回(同じ曜日)の参加が必要。日本語学習支援法についての学習は原則独学になるが、勉強会など別途開催あり。会話法での学習には日本語以外をほぼ使用しないため、他言語レベルは不問。詳細は問合せ。
問合せ 大野さん
TEL080・6792・4831

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